「ジュリーの世界」
先日本屋へ行くと最近出版された「ジュリーの世界」という本がたくさん並べられていました。ジュリーとは沢田研二のことではなくて、1970年代に京都の繁華街にいた「河原町のジュリー」と言われた有名な浮浪者のことで四条、河原町、新京極など京都で一番賑やかなところが生活圏でした。当時京都におられた今60才、70才台になる方は結構よくご存じで、著者も丁度このころ京都で学生生活をされていたようです。
私もこのジュリーをよく見かけた京都の人間としては興味があったので早速買って読みました。内容はフィクションなのですがこのジュリーと三条寺町の交番に勤務する巡査の話しで、面白くて一気に読んでしまいました。当時の世相と共に、たくさんあった「菊映」などの映画館や「駸々堂」などの本屋、「鰻のかねよ」などの食べ物屋、「六曜社」の喫茶店など、懐かしい店が実名で出てきて昔のことを思い出しました。
本に書いてある三条の交番横の矢田地蔵や新京極の六角広場にある誓願寺の横から裏寺町の方へも歩いてみたいなと思ったものです。