「大乗寺」
山科の日ノ岡たりの旧東海道の道に大乗寺という酔芙蓉の寺があります。もともと廃寺であったこの寺を、平成4年頃に新しく来られた住職がツルハシ一本で参道造りから始めて酔芙蓉を育てて、現在は約1000本以上もの木があって今満開です。
酔芙蓉の花は朝の咲き始めは白色で、午後になるとピンク色になり、夕方には紅色になります。時とともに色を変えてゆく様を、人が酒に酔って赤くなってゆくようだということで、この名がつけられたようです。一日で散ってしまうといわれているのですが、翌日も咲いているそうですので、一本の木に三色の花がいっしょに咲いているのも見られます。
芙蓉は7月から8月あたりに咲きますが、その変種の酔芙蓉は少し遅く9月から10月ごろに咲きます。芙蓉は一重なのですが、酔芙蓉はほとんどは八重の花です。
こんな芙蓉の花は平安時代から観賞用に栽培されていたようで、与謝野鉄幹も「白き芙蓉 赤き芙蓉と重なりて 児のゆく空に 秋の雨ふる」と歌っています。石川さゆりの「風の盆恋歌」の一番の歌詞にも「蚊帳の中から花を見る 咲いてはかない酔芙蓉・・・」とあります。








































